すべての人間は彼女の中におり、彼女はすべての人間の中にいる20050516

自由の哲学 (ちくま学芸文庫)ルドルフ・シュタイナー
先日買ったシュタイナーの『自由の哲学』がとても面白いです。
偉大な哲学者はみな、先達を踏まえているわけですが、シュタイナーも間違いなくその資格を有していますね。
シュタイナーはもともとゲーテ研究者でしたが、いまでは「シュタイナー教育」のほうが有名かもしれませんね。一般的には。


それで、この『自由の哲学』。
神秘主義的世界観はたしかに見られますが、本文で語られているように「霊的経験を考慮する必要はまったくない」です。これまでシュタイナーについてはほとんど何も知らず(知っていたことといえば、神秘主義者で人生の前半にゲーテや哲学を研究していて、後半に霊的なことを発表するようになって、その人間観から「シュタイナー教育」なるものが流行ってきて……と、こんなものでした)、著作をまともに読むのも初めてでした。


まだまだ途中ですが、「思考」についての考察はかなり面白いですね。シュタイナーの思想・世界観に、いま、かなり惹かれてます。


われわれの愛は愛する存在についての表象に基づいている。そして、その表象が理想主義的であればある程、愛はわれわれの心情を充たしてくれる(37)

宇宙が成立する際には思考が脇役しか演じなかったかもしれないが、宇宙観を成立させる際には、どうして思考に主役を割り当てざるを得ない(52)

自由の哲学 (ちくま学芸文庫)
ルドルフ・シュタイナー自由の哲学 (ちくま学芸文庫)